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「家具は後から買えばいい」という思い込みが、新築リビングの美しさを損なう理由
前橋市で新築注文住宅の間取り図を確定させる際、多くの施主がリビングやダイニングの「床の広さ」ばかりに気を取られてしまいます。ハウスメーカーの担当者からも「この広さなら、お気に入りのテレビボードやソファが自由に置けますよ」と説明され、収納家具については「引っ越した後に、部屋の雰囲気に合わせて既製品を買い足せばいいや」と、深く考えずにプランを終わらせてしまうケースが少なくありません。
しかし、この「家具は後回し」という考え方こそが、入居後のインテリアを雑然とさせる大きな原因になります。どんなに壁紙やフローリングの素材にこだわった美しい大空間であっても、後から搬入したテレビボード、本棚、チェストなどのサイズや木目が微妙にズレているだけで、空間にはチグハグな凹凸(デッドスペース)が生まれてしまいます。
生活感がなく、すっきりと整った住まいを実現するための本当の鍵は、家具を後付けの「置き物」として捉えるのではなく、建物の壁や天井と一体化させる「造作収納(ぞうさくしゅうのう)」として、図面の段階からあらかじめ組み込んでおくことにあります。今回は、置き家具を一切なくし、インテリアに美しく溶け込む住まいを作るための具体的な設計手法について解説します。
既製品家具がもたらす「3つのノイズ」を、建築の力で解消する
新居に合わせて購入したお気に入りの既製品家具であっても、実際に配置してみると、暮らしの中でいくつかの小さな不満やノイズを発生させることがあります。造作収納を基本設計に組み込むことは、これらの問題を未然に防ぐ強力な解決策となります。
① 家具の「上と横」に生まれる、掃除のしにくい隙間
既製品の棚を置くと、天井との間にどうしても数十センチの隙間が空いてしまいます。ここは手が届きにくいため、数ヶ月で真っ白なホコリが溜まる原因になります。また、壁との数センチの隙間にはゴミが落ちやすく、掃除機のヘッドが入らないというストレスを日々生み出します。天井ぴったりまで作り込む造作収納であれば、これらの隙間が完全にゼロになり、日々の掃除の手間を劇的に削減できます。
② 地震時の転倒リスクと、突っ張り棒による意匠性の低下
背の高い本棚や食器棚を置く場合、日本の住まいにおいて地震対策は避けて通れません。後付けの家具を固定するために、天井との間に突っ張り棒を立てたり、壁にL字金具をビス留めしたりすると、せっかくの洗練されたインテリアが一気に損なわれてしまいます。構造体である壁や柱にしっかりと固定して製作する造作収納なら、器具なしで抜群の耐震性を発揮します。
③ 家具の「出っ張り」による視覚的な圧迫感
既製品の家具は、壁から手前に35〜45センチほど飛び出して設置されるため、部屋の有効寸法を狭めてしまいます。図面を引く段階で「あらかじめ収納の奥行き分だけ壁を引っ込めておく(壁に埋め込む)」という設計をしておけば、通路幅を一切狭めることなく、フラットな壁面をキープしたまま大容量の収納を確保することが可能になります。
部屋の目的別に仕分ける、インテリアに同化させる造作ハック
ただ棚を作るだけでなく、空間全体の意匠性と使い勝手を高めるために、打ち合わせで建築会社に指定すべき具体的な造作収納のアイデアをまとめました。
| 設置するエリア | 具体的な造作・意匠の工夫 | 狙いとメリット |
|---|---|---|
| リビング | テレビを掛ける壁面全体を覆う「フルハイトの壁面収納」を計画。扉は取っ手のないプッシュ開閉式を選び、クロスの色と完全に統一する。 | 閉めているときは「ただの綺麗な白い壁」に見え、テレビまわりの配線やゲーム機を完全に隠せる。 |
| ダイニング | キッチンの対面カウンターの下部や、ダイニングテーブルの横に、奥行き20〜25cmの「浅型ブックシェルフ・文房具入れ」を一体設計する。 | 薬箱や書類、子どもの連絡帳など、テーブルの上に散らかりがちな小物の定位置になる。 |
| 玄関・土間 | 床から浮かせる「フロートタイプ」のシューズクロークを設計。下部にライン状の間接照明を仕込む。 | 床面が奥まで一続きに見えるため、玄関を開けた瞬間の広がりが強調される。 |
特にリビングの壁面収納においては、扉の素材選びが重要です。クロス(壁紙)と全く同じ色・質感の扉を採用することで、家具としての存在感が完全に消え去り、部屋が本来の寸法以上に広く、すっきりと感じられるようになります。中には可動式の棚板を細かく仕込んでおき、書類から掃除機、季節の飾り物まで、家中のモノがすべてこの「壁の裏」に納まるように計画するのがポイントです。
「コンセントの位置」と「マルチメディア配線」を図面上で先回りして繋ぐ
造作収納の計画において、既製品家具よりも圧倒的に優れているのが、電気配線を家具の内部に完全に隠蔽できるという点です。後付けのテレビボードやパソコンデスクの周辺は、電源タップやLANケーブル、ゲーム機のコードなどが複雑に絡み合い、ホコリが絡まる見た目の悪いエリアになりがちです。
図面の打ち合わせの段階で、造作収納の「どこの棚に何を置くか」をあらかじめ決定しておき、その棚の内部に直接コンセントやLANポート、テレビのアンテナ端子を設置するように指定します。
例えば、リビングの造作壁面収納の中に「ロボット掃除機の格納基地」や「Wi-Fiルーター”